日商PC検定ベーシック - 履歴書でパソコン・スキルをアピールでき比較的合格し易いパソコン検定試験

世の中にいくつかあるパソコン検定試験の中から日商PC検定Basicをご紹介します。

ワード、エクセル、パワーポイントの操作スキルを証明する検定試験で最も有名でかつ権威があるのはMicrosoft Office Specialist（略してMOS（モス））ですが、極端に言うと、大きな会社に正社員で採用されようと思えばMOSは良いですが、近所の会社でパートの事務の仕事をしようと思っている方には合格に必要な勉強がちょっと大変過ぎると思います。

そこで今回は就活のための履歴書でパソコンのスキルをアピールでき、かつ、比較的合格し易いパソコン検定試験として、日商PC検定Basicについて説明します。

日商PC検定とは、日本の経済三団体の一つ、日本商工会議所が主催するパソコン検定試験です。

難しい順に、1級、2級、3級、Basicと4段階のレベルがあり、「Basic」は一番易しいレベルの試験です。

なお、なぜかパワーポイントはBasicにはなく、Basicで受けられるのはワードとエクセルのみです。（パワーポイントが受けられるのは3級から。）

日商PC検定Basicの出題範囲の概要は以下のとおりです。

ワード：文字だけの案内文、表の挿入、図形の挿入

エクセル：表計算、グラフ（円グラフ、棒グラフ、レーダーグラフ等）、いくつかの関数

私の経験だと上記出題範囲のスキルをお持ちなら、たいていの職場で実務にほとんど困らないと思います。

上述のとおり日商PC検定で必要なスキルは実務で困らない範囲なので、4段階の一番易しいレベルのBasicだとしてもそんなにちょちょっとやって合格できるものではないです。

初心者の方が何時間勉強すれば良いのか、というのはちょっと言いにくいのですが、当教室の入門講座を修了している方なら、「受験勉強」に必要な期間は以下のような感じだと考えます。

ワード：月8コマコースで1ヶ月弱

エクセル：月8コマコースで1～3ヵ月

補足1）当教室の入門講座の修了までの期間の目安は以下のとおりです（いずれも月8コマ受講した場合）。

マウスとタイピング：1～3ヵ月

ワードあるいはエクセル：6ヵ月

補足2）あくまで私の個人的で感覚的な感想ですが、日商PC検定Basicのワードとエクセルだと難易度に結構格差があります。エクセルはワードの2～3倍難しいと思います。

補足3)日商PC検定Basicの本番の試験時間は30分で、問題数は20問です。単純平均で1問解くのに90秒しかなく、これはMOSと同じレベルです。問題を読む時間と解答の操作をする時間を考慮すると考えている時間はほとんどなく、出題範囲の操作は完全に頭に入っていなくてはなりません。上記期間はこの頭に叩き込むための期間です。

但し、日商PC検定Basicの出題範囲はMOSの何十分の一なので、自宅で毎日勉強しなくとも、教室の授業だけで合格できると私は考えています。

残念ながら寡聞にして日商PC検定Basic合格が、あくまで近所の会社に事務職で採用されるという観点において、どのように会社の採用担当者に評価されているのか私はよくわかりません。

（大きな会社に対してはあまり役に立たない、という意見は散見されます。）

日商PC検定Basicの内容を採用担当者が知っていれば相応の評価をしてくれると思いますが、逆に日商PC検定Basicについてよく知らない場合もあるでしょう。

そこで履歴書の記載はちょっと工夫が必要だと思います。

例えば、「資格・免許」欄に、

令和6年10月：ふじみ野パソコン教室エクセル入門講座修了（累計受講時間80時間）

令和6年12月：日商PC検定エクセルBasic合格

と記載し、さらに「特技」欄に、

エクセルの表計算、グラフ（円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ）、各種関数（IF関数、RANK関数等）

などと記載しておけば、パソコン教室で80時間勉強して、ただ漫然と時間を潰していただけでなく、それなりのスキルを身に付けていることがわかります。これらの記載により履歴書勝負で有利になるでしょう。

タイピングはワードでもエクセルでもないわけですが、実は日商PC検定Basicではあまりタイピング・スキルは問われません。

ただパソコン、特にワードのスキルを買われて会社に採用された場合、あまりタイピング・スキルが貧弱だと採用されたあとかなり肩身の狭い思いをするでしょう。

タイピング・スキルは別に勉強しておくべきだと思います。

日商PC検定Basicは履歴書で自己のパソコン・スキルをアピールするのに有利で、かつ、比較的合格し易いパソコン検定試験です。

就職、転職をお考えの方は、受験を検討しても決して悪いことではないでしょう。

また、あるパソコン教室では、小中学生のモチベーションアップのため、学習の最終段階で日商PC検定を採用しているところがあるようです。大人の方でも腕試しで受験してみるのも結構楽しいかもしれません。

説明は以上です。